〜   アンジェリカ一章   〜



緩慢な滅びに晒される世界、ファルガイア。
街路を吹き抜ける風は、疲弊した人々の溜め息を孕んでいるようだ。
そんな中でも、通りには軽快な足音が駆け抜けていく。
無邪気な笑い声は淀んだ空気も吹き払うように、爽やかに大空に吸い込まれていく。
いつの時代も、小さな身体にいっぱいの希望を持って、はしゃいでいる少年、少女達。
彼らにとって、日々の生活は全てが新鮮であり、興味に溢れた夢の世界なのだった。

街の通りを走りながら、少年はふと足を止めた。
後ろを付いてきていた妹のアンジェリカの姿が見えない。
今日は友達のモニカが留守番をしているため、二人で遊んでいたのだった。
アンジェリカは兄に似て、好奇心いっぱいの少女なのだ。
また何か面白そうなことを見つけて、どこかへ言ったのかもしれない。
少年は嘆息しながらも、妹を探すことにした。
だが、アンジェリカを探すと言う口実で、いろいろと町外れを探検できるかもしれない。
少年は目を輝かせながら、踵を返して路地を走っていった。

アンジェリカはわくわくしながら、中年の男に連れられて歩いていた。
口の中には、男に貰った飴玉を含んでいる。
兄と遊んでいる時、不意にこの男から声を掛けられたのだ。
(飴をあげるから、楽しいことをして遊ばないか?)
アンジェリカは、珍しいお菓子と「楽しいこと」に目を輝かせた。
一応親からも見知らぬ人に付いて言ってはいけないとの躾は受けていた。
だが滅多に食べられないお菓子と、好奇心を刺激する誘いを前に、警戒心はあっさりと消え去ってしまった。
そしてアンジェリカは、嬉しげに飴を舐めながら、男に付いて街路の奥へ消えていったのだった。

「あ・・・、あの、おじさん・・・」
アンジェリカは震える声で、前を行く男に声を掛けた。
あれから十分ほど経ち、飴はとっくに舐め終わってしまっていた。
その間に二人は町外れを歩き回り、滅多に人も来ない廃屋の影を訪れていた。
アンジェリカは徐々にふらついてくる身体を抑え、ようやくここまで付いてきた。
アンジェリカの舐めていた飴は、媚薬を混ぜ込んだ「ラブ・キャンディー」だったのだ。
成人女性でも欲情を抑えられなくなる効果があるため、アンジェリカには効き目が強すぎるようだ。
息が上がり、足は縺れ、身体は震え、全身がしっとりと汗ばんでくる。
自身の異常を訴えるため、アンジェリカは男を呼び止めた。
その様子に、男はにやにやしながら体調を尋ねる。
「え、あぅ、あの、えー・・・と・・・」
アンジェリカはもじもじしながら言葉を詰まらせる。
今まで、こんな体調は経験したことが無かった。
そのため、拙いボキャブラリーではうまく表現出来ないでいたのだ。
言いよどむアンジェリカに、男は「変になっている所」を見せるように声を掛ける。
「う、うん、あのね・・・」

アンジェリカは躊躇無く、スカートの裾をたくし上げた。
可愛らしいプリントの入ったシンプルなパンツが晒される。
いつも海辺などで兄と裸で水遊びをしているアンジェリカに、恥ずかしいという意識は無いようだ。
それよりも、身体の変調に不安を覚えているため、男に必死に訴えるのだった。
「あ、あの、お、おまたのところなの・・・」
語彙の乏しいアンジェリカは、そう言葉にするのが精一杯だった。
男は卑猥な笑みを浮かべながら、無防備な少女の下着を躊躇無く引き下ろしていった。

「・・・あ・・・」
パンツは足首までずり下ろされ、無垢な股間が剥き出しにされる。
アンジェリカは、男の視線が股間に注がれ、体が一層熱く火照ってくるのを感じていた。
今まで、裸を見られることに羞恥の感情を持たなかったため、自分の反応に狼狽していた。
いや、この期に及んでも、「恥ずかしい」という感情を自覚できていないのだろう。
(わ、わたし、ヘンになっちゃったの・・・?)
アンジェリカの肉体の高揚に感応し、性器部分が痺れる様に反応し始める。
本人にその意識が無くても、薬に啓発された本能は、顕著にその機能を発揮してきたのだった。
顔を赤らめ、切なげに息を吐くアンジェリカの様子に、男は満足げに表情を緩める。
そして無骨な指を、遠慮無く無毛の秘裂に這わせていった。

「!・・・、あ・・・んッ・・・」
直接性器を弄られ、アンジェリカは声を殺して喘ぎを漏らす。
この体調を男が治してくれると思っているアンジェリカは、恐怖と不安を押し殺して愛撫に耐えた。
男の指の腹がスリットをなぞり、指先がクリトリスを捏ね回す。
じんじんとした感覚が、下腹部を中心にアンジェリカの全身に染み渡っていく。
「うぅ、・・・はぁ、・・・く、ふぅん・・・ッ」
官能が高まるにつれ、アンジェリカの吐息も甘い響を伴ってくる。
次第に増大していく快感に、アンジェリカは朦朧とし始めていた。
無意識に男の指に押し付けるように、腰をくねらせてしまう。
男の指が這い回る陰唇からは、僅かづつながら愛液が漏れ出していた。
ちゅぴっ、くちゅ・・・にちゅっ・・・
清水のような蜜液は、内腿を伝って足首まで垂れ落ちていく。
そして丸まった白いパンツに、淫靡な染みを印していくのだった。
「うぅっ、・・・んはぁ、く・・・あぁん・・・」
今やアンジェリカの表情は蕩け、はぁはぁと喘ぎ声を漏らし続けている。
あどけないアンジェリカのその表情は、一種奇妙な淫猥さを醸し出していた。
頃合いを見て取った男は、濡れそぼった股間から指を離すと、震える小さな身体を抱え上げるのだった。

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