5


 約10分程の間、女は完全に犬だった。おとなしく飼い主について歩くペットと化し、今日初めてこの道を歩ききった。文雄は鎖を電柱に縛り付けると、一人公園へと足を向けた。「俺は人間だからちゃんと公園の便所で用を足してくるよ。お前みたいな犬畜生とは違うからな」「待って、行かないで!一人にしないで下さい」女はふと、犬から人間に戻ったように声をあげ懇願した。「ご主人様が戻るまでそこでおとなしくしてるんだぞ。いいな!」女は一人、鎖につながれたまま文雄の帰りを待った。暫くすると女はある気配を感じた。微かな音が聞こえ後ろを振り返ると、一匹の犬が近づいて来た。少し大きめの雄の雑種だった。所々汚れ、毛が抜け落ちていた。ヨロヨロと蛇行しながら近づいてくるその犬に女はただならぬものを感じとった。「ウーッ」と威嚇するかのような声をあげたがある距離まで近づくとおとなしくなり、逆に落ち着きを無くし始めた。ふと目をやると女は驚いた。犬の性器が勃起していたからだ。赤剥けたまるでソーセージの様な性器が自分をねらっているのを知った。「ハーハーハー」犬の呼吸が段々激しくなり、ダラダラとよだれを流していた。女は身体が熱くなり全身に血が走った。何かが内部から自分を突き動かしているのを感じた。自ら四つんばいのまま尻を高く突き上げ、腰を振り、犬を誘惑した。ピンク色だった肉ヒダはすでに赤く充血し、濡れていた。「ああ〜、きていいのよ」後ろを振り返ると一瞬犬と目が合った。犬はぴょんと飛び乗り、前足を女の腰にあて勃起した性器を挿入しようとした。うまく入らないのをもどかしく感じた女は腰を動かしずらしながら、犬の性器を自らの中へと導き入れた。犬は呼吸を激しくしながらカクカクとまるで機械のように腰を振り続けた。「ああ、そうよ、じょうずよ。いいのよ、そう、もっと突いて!」女は首を左右に振り、声をあげた。細く短い分、犬の性器は女の膣の入口付近を集中的に刺激し、人間のセックスでは到底感じることの出来ない快楽をもたらした。犬はなおも腰を振り続けている。「いいのよ、中に出していいのよ!」女は叫んだ。次の瞬間、犬は悲鳴にも似た鳴き声をあげ、女の背中から崩れ落ちた。 「てめえ、何してやがる!!」戻ってきた文雄が犬の腹を蹴りあげた。犬は苦しそうに口から泡を吐き、もがきながらも逃げ去った.「お前、俺がいない間に犬なんかとやってやがったのか。本当に犬になったつもりか?このバカヤロー!」女は恐怖におびえた。「そんなに犬とやりたいならやらしてやるよ」文雄は今戻って来た公園へと足を向けた。  そこには食べ残しのゴミ箱をあさる野良犬が数匹いた。人間の手を離れて長い年月が経つのか、かなり野生化していた。文雄たちの気配を感じたのか一瞬食べるのを止め、鋭い目つきで二人を威嚇したが、また何もなかったかの様に残飯を貪り始めた。「どうだ、こわそうな犬がたくさんいるぞ」文雄は女を鉄棒の所へ連れて行き両の手を頭の上で鉄棒に縛り付けた。つま先立ちになる程の高さの為、女は苦しみながらバランスをとった。  文雄は女の身体に残飯をなすり付けた。「まずは犬どもに体中を舐めてもらうんだな。ほら、あの犬たちを呼ぶんだ!」そう言うと文雄はベルトで女の尻を叩いた。ピシッという乾いた音と女の叫ぶ声が誰もいない公園に響いた。その声に驚いたのか走り去る犬もいたが、数匹はこちらを身動きせずジッと見つめ、やがて興味をしめしたのか小走りに寄って来た。 「さあ、お前たち遠慮せずにこの女を可愛がってやりな!」 集まってきた4匹の犬はいっせいに女の身体に飛びつき、残飯を貪り始めた。ハアハア舌を出し、よだれをたらしながら犬たちは夢中になっていた。両の手首を縛られた女は左右に、そして時折回転しながら身体を犬にまかせていた。 「アアッ、ウウッ・・・」犬のザラザラした舌が乳首や性器に触れる度に女は苦しそうに声を漏らした。「ああ、気持ちいいです・・・」  犬たちはみな薄汚れており、どこか飢えたオオカミのように見えた。文雄が手首の紐をほどくと女は崩れ落ちるように倒れた。女は痺れて全身に力が入らなかった。力無く身体を横たえた女は静かに仰向けになり、両手足を縮めた。相手に腹を見せることは服従を意味している。女は従順なメス犬となった。 「きて・・・」女は懇願するようにつぶやいた。4匹の犬どもはしっぽを振りながら女に近づきさっきよりも激しく顔、わきの下、乳首、へそ、性器と、身体中を舐め回した。 犬たちの興奮もピークに達したのかどの犬もみな勃起していた。それを見た女は顔の一番近くにいた犬の性器を握り、自らの口へと運んだ。「ううっ、おいしいわ。赤剥けたソーセージみたいでとってもおいしいの・・・」目は半開きとなり、薄っすらと笑みを浮かべていた。女の性器を舐めていた1匹の犬が両手を擦り合わせ、何かをねだる様な仕草をした。女は察したのか身体を反転して四つんばいになった。 「後ろから突いて、一杯突いていいのよ」女は顔を伏せ、尻を高く突き出した。 ウーッ、と低く唸るとそのまま犬は二本足で立ち上がり、前足を女の腰にあて、舌を出しながら腰を機械的に振った。 「ああっ、いいのよ、そう、もっと突いてちょうだい!」女はイヤイヤをするように首を左右に振りながら声をあげた。犬の動きが早くなるにつれ、女も咥えていた犬の性器を激しく吸い始めた。「いいのよ、そのまま精液出していいのよ。私のオマンコに出していいのよ!」一瞬、犬の動きが止まり、続けて2回突き入れた後、犬は射精した。その直後、 弱い鳴き声の様な声をあげ、咥えられていた犬が発射した。女は犬の精液まみれのまま微笑んだ。 続けて2匹目の犬が女に飛び乗った。さっきの犬より性器が長く、そして太かった。「ああ、すばらしいわ。私のワンちゃん、もっと好きにしていいのよ」興奮した犬は女の背中に爪を立てた。「痛っー!」女は叫んだ。数本の爪跡からは真っ赤な血が流れていた。 「ええい、どけ!」文雄はその血を見て逆上したのか大きな声をあげた。 「いつまでこんな犬畜生とやってやがるんだ?もう我慢できない、今度は本当に俺の番だぜ」文雄は犬を蹴散らすとジーンズを下ろし、下着を脱いだ。性器は既に赤黒く勃起していた。「いや、やめて。初めに約束したでしょ?最後まではダメだって。」「うるせえ、犬とやって何で俺とはダメなんだ?」「どうしてもダメなの、いや、やめて!」女は叫んだ。「知ったことかそんなこと!」文雄は隣の砂場に女を投げ倒した。女は前のめりに頭から突っ込み顔中砂だらけになった。文雄は首輪を取り出し、鉄柵につないだ。 「うぐ、ゲホゲホ・・・」女は苦しそうに砂を吐き出した。 「犬なんかよりもっと気持ちよくさせてやるよ」文雄は固くそそり立った性器をバックから一気に女の中へと突き入れた。「アッ!」女は驚きにも似た声をあげた。 「いや、やめて!お願いだからやめてください・・・」女の叫び声が響いた。 「うるせえ、どうだ犬のなんかより俺のチンポの方がよっぽどいだろう」ズボズボと出し入れするたびに女のオマンコは広がり、そして縮んだ。 「いや、ほんとに、やめて、ください・・・」女は嗚咽した。力を入れ拒むたびに女の膣は文雄の性器をしめつけた。「ううっ、たまんねぇ・・・」文雄は天を仰ぎ、腰に置いた手に力を入れ腰を振った。パンパンパンとリズミカルな音が響いた。鎖につながれている為 女は逃げ出す事が出来なかった。やがて沸き起こるような快感に耐えられなくなった文雄は女の中に発射した。「あー、イク!」「いや、やめて!」女は叫んだ。  すすり泣き、ぐったりした女を横目に文雄はズボンのファスナーをあげた。

 あの日以来、文雄の前に女が姿を現すことはなかった。 あの女は一体何者だったのだろう? そんな想いも日々の生活の中で半年、一年と経つうち次第に忘れ去られていった。

 ある夜、久しぶりに文雄は昔の仲間としこたま酒を飲んだ。店を出て、皆と別れた後 急に酔いが回り意識をなくした。  「おい、兄ちゃん!そんなとこで寝てるとゴミと一緒に捨てちまうぞ」 身体の揺れを感じ文雄は目を覚ました。割れるような激しい頭痛が襲った。 「今の若いやつらはこんなゴミ置き場でも平気で寝ちまうのかねえ」 ゴミ収集をしていた男はそう言うと車のドアーを閉め、アクセルを踏んだ。 廃棄ガスを全身に浴びた文雄は、鉛のように重い身体をゆっくりと起こした。朝の日差しに目がくらんだ。  ふと、目をやると1匹の痩せた白い犬がこちらを見ていた。表情をなくしてしまったような目で、ただじっと文雄を見ていた。暫くすると犬は背を向けどこかへ行ってしまった。 その犬の背中には縦に数本のキズ跡があった。  温かい泥のような疲労が全身を包み込み、文雄は深い眠りの底に再び落ちて行った。
<了>

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